妻の不貞行為の以前に夫のモラハラがあり、慰謝料なしで早期に離婚できた事例
ご依頼前の状況
ご依頼者様(妻)は、別の事務所の弁護士に依頼され離婚調停中であった。妻自身に不貞行為があるため、裁判所と弁護士から慰謝料の支払いは必須で、夫の求める面会交流や謝罪をするべきだと言われていた。妻の希望や言いたいことを弁護士が調停委員に一切伝えてくれず、不貞をしたんだから全て我慢するしかない、と言われ困惑し、弁護士を解任し、当事務所にご相談に来られた。
ご依頼後の状況
妻から詳しく事情を聞くと、不貞行為があるのは事実であるが、それ以前に夫からモラハラがあり、不眠、ストレスで心療内科に通院し、20キロも体重が減少したという事実があることがわかった。親族も妻を以前から心配し、離婚を勧めていた。また、妻は子とともに夫とは別居していたが、不貞判明後から夫は生活費を一切支払っていなかった。そのため、婚姻関係破綻の原因は、妻の不貞行為だけではなく、夫からのモラハラにも一因がある状況だった。担当弁護士が婚姻費用の請求は必須である旨アドバイスし、婚姻費用分担調停をすぐに申し立てた。離婚調停においては、モラハラの事実を具体的に主張し、どのような証拠が提出できるかも明確に説明した。すると、夫は、モラハラの証拠を裁判所に提出されることを嫌がり、さらに妻への婚姻費用の支払いを避けるために、慰謝料0ですぐに調停離婚に合意した。
担当弁護士の解決のキーポイント
依頼者の方から、丁寧に事実を聴取したことと婚姻費用の請求をしたことが本件のキーポイントだった。長い夫婦生活の中で破綻になる経緯は単純ではない。1つ不利な事実があったとしても専門的な見地から事実を聴取し、総合的に夫婦関係の破綻を評価し主張することが重要である。また、不貞があることから前任の弁護士は婚姻費用の請求をしなかったようであるが、破綻したご夫婦の場合、相手にお金を払いたくない気持ちが強いため、婚姻費用を請求した方が離婚の成立が早まることが多い。とびら法律事務所では経験上、婚姻費用の請求は特別な事情がない場合は、早期に行うことを勧めている。