会社経営者の方へ
とびら法律事務所では、会社経営者の方の案件を多数お取り扱いしております。
会社経営者の方の案件は、離婚に関係する会社法や労働法の知識、経営者の方の特性への理解などが必要になります。よく問題になるのは、財産分与とご夫婦が同じ会社で働いている場合一方配偶者を解雇、解任できるかという問題です。
経営者の財産分与の特殊性
1 会社の株式
会社を経営し、株式を保有している場合、その株式の価値も財産分与の対象になります。
基本的に会社の財産は会社のもので、社長が離婚する際に会社の財産を配偶者に分与する必要はありません(例外もあり)。
しかし、社長が持っている会社の株式は会社の財産ではなく、社長個人の財産であるため、財産分与の対象になります。
同族会社などの非上場株式は、評価額が非常に高額になることもあります。弊所がお取り扱いしたケースでも、会社の株式の価値が数千万円から億というケースがありました。
株式の財産的価値を評価する方法も複数あり、ご本人だけでは、どう計算するのかわからないと思います。
また、ご自身だけでなく、配偶者の方も株式を保有している場合は、その配偶者の方の持ち分も財産分与の対象になります。
このように、相手またはご自身が会社経営者の方の場合、財産分与だけでも専門的な知識が必要になるので弁護士に依頼することをおすすめします。
2 退職金
経営状況の良い会社の場合ですが、役員が退任するときに退職金を支給するために会社を契約者、社長を被保険者として保険を掛けていることがあります。
会社にとっても保険料の一部を損金処理できるというメリットがあるとともに、経営者の方にとっても役員報酬として受け取るより、退職金として受け取った方が税制上有利なことがあるためです。
ですので、経営状況の良い会社の経営者の方の場合、退職金も財産分与の対象として検討することになります。
結局のところ、経営状況の悪い会社であれば、株式の価値は低く、保険にも加入していないまたは既に解約済であるため、財産分与上経営者といっても多額の財産を分与する必要はなくなります。一方で、経営状況の良い会社の場合、株式の価値は高い、退職金もあるため、相当高額の財産分与を覚悟する必要が出てきます。
配偶者を解雇または解任できるか
1 配偶者の方が従業員の場合
経営者の方が、その配偶者の方を従業員として雇用している形態は多く見られます。
解雇については、ご夫婦の問題を別にして、労働法上の制約があります。簡単には解雇できないため、きちんとした手順を踏んで解雇に至る必要があります。
2 配偶者の方が役員の場合
役員の場合は、従業員と異なり、任期満了で再任されなければ役員としての地位はなくなります。また、通常は株主総会決議で解任も可能です。しかし、正当な理由なく任期満了前に解任した場合、解任した配偶者から損害賠償請求をされる可能性もあります。任期満了が近い場合は、任期満了まで役員報酬を支払い再任せずに地位を失わせる、名ばかり取締役で全く業務に関与していない場合は正当な理由を明示した上で解任する、任期満了が先の場合は離婚の方で解決金の上乗せをするなど合意による早期退任を目指すなど、ケースによってよりよい解決策を検討することになります。
配偶者が従業員の場合も役員の場合も、会社における地位の問題を離婚の問題と一緒に解決しなければ、後々非常に面倒なことになります。会社経営者の方の離婚に経験のある法律事務所で問題の一体的解決を目指しましょう。
弁護士に離婚問題を依頼するメリット
弁護士に離婚問題を依頼すると、以下のような法的なメリットがあります。
- 妥当な条件や見通しを知ることができる。
- 協議離婚、調停離婚、裁判離婚の手続きを任せられる。
- 書面を作ってもらえる。
- 提出する証拠を選んでもらえる。
- いつでも法的な質問ができ、疑問を解消できる。
- 過去の類似ケースについての解決策を聞くことができる。
- 裁判所に対等に意見できる。
経営者の方の離婚は、非常に専門的な知識や経験が必要になります。
また、法的なメリット以外にも、以下のようなメリットがあります。
- 代わりに相手と交渉してもらえる。精神的な負担が軽くなる。
- 感情的に乱されず、冷静に判断できる。
- 相手が無視したり、はぐらかしたりしにくくなる。
- (裁判の場合)裁判所に行かなくていいため、仕事に支障が出ない。
- (調停の場合)調停委員に言いにくいことも代わりに言ってもらえる。
- 交渉や調停のその場で、有利不利、妥当、妥当でないという判断が即決でできる。
- できるだけのことをやったと後悔が残りにくい。
- 力強い味方ができ、1人で戦わなくていい。
経営者の方は、とても忙しいので、弁護士に依頼すればご自身の時間を有効に使えるためメリットは大きいと思います。
弁護士への依頼を決めた際は、弁護士の中でも、特に”離婚を多数扱っている弁護士”に依頼しましょう。
弁護士が取り扱う分野は多岐にわたります。
弁護士も医師と同様に、それぞれに得意な分野があります。
とびら法律事務所は、設立当初より離婚に注力しています。離婚相談件数は年間500件を超えており、離婚相続部に所属する弁護士は常時30~60件の離婚案件を抱えています。これまで経営者の方の案件も多数お取り扱いしてきました。是非、一度ご相談ください。