個人事業主の方へ
個人事業主の方の場合、年収の考え方や財産分与の対象などの点で個人事業主ならではの検討事項があります。また、ご自身で仕事を切り盛りしているため、離婚の問題に対応する時間がない、弁護士との打ち合わせや裁判所に行く日程の調整が難しいことがあります。
特に、以下のケースにおいては、積極的に弁護士への依頼を検討された方がいいでしょう。
弁護士に依頼すべきケース
現実の生活水準と確定申告書上の所得の額がかけ離れている。
こういうケースでは、年収の額で争いが生じます。裁判所では、まずは確定申告書の金額をベースにするのですが、相手方から毎月もっと生活費をもらっていた、確定申告書上の金額はおかしいという主張が必ず出てきます。確かに、確定申告を厳密にできている個人事業主の方はそこまで多くない印象です。年収の争いになれば、細かい経費についての事業との関連性や内訳を説明したり、根拠資料の提出が必要になります。
現実の生活水準とかけ離れた所得を主張する際には、安易に低い婚姻費用、養育費になるだろうと過信せず、年収について弁護士とじっくり検討された上で主張された方がいいと思います。
事業経費と家計の区別が明確ではない。
事業用の金融機関口座から生活費が出ていたり、生活費の口座から事業用の経費が出ていたり、事業経費と家計の区別が明確でない場合、財産分与の対象で争いになります。
相手方は、当然両方の財産を分与対象と主張してきます。しかし、実際に事業で必要な費用がありますので、適切な反論を主張し、根拠資料を提出する必要があります。
このような場合、法的に適切な主張や何を提出すればいいのか、ご本人だけではわからないと思いますので、弁護士にご依頼されることをおすすめいたします。
休みが不定期で忙しい。
裁判所は、平日の決まった時間でしか対応してくれません。また、弁護士(法律事務所)も空いている時間、電話がつながる時間が平日の夕方までであることが多いです。
個人事業主の方は、お休みが不定期だったり、急遽仕事が入ったり、夜や土日しか時間がとれない、逆に土日が仕事で平日は比較的自由に動けるなど、予定が流動的であることが多いと思います。
このような場合、対応時間の長さやメール等でのやりとりが可能な弁護士にご依頼されると、スムーズです。
弁護士に離婚問題を依頼するメリット
弁護士に離婚問題を依頼すると、
以下のような法的なメリットがあります。
- 妥当な条件や見通しを知ることができる。
- 協議離婚、調停離婚、裁判離婚の手続きを任せられる。
- 書面を作ってもらえる。
- 提出する証拠を選んでもらえる。
- いつでも法的な質問ができ、疑問を解消できる。
- 過去の類似ケースについての情報を聞くことができる。
- 裁判所に対等に意見できる。
個人事業主の方は、お金の動きや財産について、綿密な検討や書類の作成・提出などが必要になりますので、弁護士に依頼されるメリットは大きいと思います。事業内容や経費の内訳等について、事業に関わっていない相手方や調停委員にわかりやすく伝えるのは至難の業です。わかりやすく伝えられていないことで、ご自身に不利な結果を招くこともありますので、是非弁護士にご相談ください。
また、法的なメリット以外にも、以下のようなメリットがあります。
- 代わりに相手と交渉してもらえる。精神的な負担が軽くなる。
- 感情的に乱されず、冷静に判断できる。
- 相手が無視したり、はぐらかしたりしにくくなる。
- (裁判の場合)裁判所に行かなくていいため、仕事に支障が出ない。
- (調停の場合)調停委員に言いにくいことも代わりに言ってもらえる。
- 交渉や調停のその場で、有利不利、妥当、妥当でないという判断が即決でできる。
- できるだけのことをやったと後悔が残りにくい。
- 力強い味方ができ、1人で戦わなくていい。
弁護士への依頼を決めた際は、弁護士の中でも、特に”離婚を多数扱っている弁護士”に依頼しましょう。
弁護士が取り扱う分野は多岐にわたります。
病院をイメージしていただくと分かりやすいですが、おなかが痛いときには内科、目の調子が悪いときは眼科、鼻水が止まらないときには耳鼻科を受診されると思います。
弁護士も同様に、それぞれに得意な分野があります。とびら法律事務所は、開設当初より離婚分野に注力しており、離婚チーム所属の弁護士は一人あたり常時30~60件の案件を担当しています。離婚のご相談実績も、千葉だけで年間500件以上あります。
是非一度ご相談ください。