経営者の妻のための離婚問題
「夫が会社を経営している。毎月の生活費はそれなりにもらっているが、預貯金、保険、株・投資信託など、財産がどうなっているかわからない。離婚時に財産分与してもらえるか不安。」
「夫が社長でつきあいでキャバクラに行っている。不倫もしているようだが、お金を夫が握っているので、強く言えない。離婚したい。」
「夫のモラハラがひどく離婚したいが、子どもの学校や塾、習い事でお金がかかる。自分も会社の役員になっていてどうしたらいいかわからない。」
夫が経営者・社長である場合、離婚は一般的なケースよりも複雑になりがちです。
このコラムでは、会社を経営している夫と離婚したいお悩みを抱える女性に向けて、弁護士の視点から解説します。
「我慢するしかない」と思っているあなたにこそ、お読みいただきたいです。
1.経営者の妻特有の離婚問題
経営者の妻の離婚で特に多いのが、次のようなお悩みです。
- 夫が家計の状況を教えてくれない。
- 保険や株式投資、退職金の準備等いろいろやっているようだがわからない。
- 会社のお金と個人のお金が混ざっている。
- モラハラがひどいが、教育費にお金がかかり、生活水準も高いので離婚してやっていけるかわからない。
- 会社の経理や事務を自分がやっていて、離婚時にどうしたらいいかわからない。
特に、会社経営者によるモラハラは、「経済的支配(お金を渡さない・使わせない)」という形で表れることが多く、妻が逃げ場を失ってしまうケースも少なくありません。
また、お子さんの私立学校や塾、習い事等の教育費にお金がかかり、夫に不倫やモラハラがあっても我慢するしかないと思いがちです。
しかし、夫の年収が高ければ、離婚までは婚姻費用をもらい、離婚時には、適正な財産分与と養育費の支払いを約束することで、相応の金額を得ることが可能です。
お子さんの進路や習い事に夫が同意している場合は、通常の婚姻費用や養育費に加え、教育費を加算して支払ってもらえることもよくあります。
さらに、あなたが会社の役員や従業員になっている場合でも、法的に整理し、離婚時には会社から抜けることもできます。
2.経営者の妻が離婚するときの財産分与
財産分与とは?
結婚してから夫婦で築いた財産を、原則として2分の1ずつ分ける制度です。
経営者の場合、問題になるのが次の点です。
- 会社の株式(自社株)
- 役員報酬や退職金
- 会社名義の不動産や預金
基本的に会社の財産は会社のもので、会社の経営者(社長)が離婚する際に会社名義の財産を配偶者に分与する必要はありません。
(例外的に、個人経営や親族のみで経営されていて、会社の財産と個人の財産が混在している場合は、会社の財産の一部が財産分与の対象になることもあります。)
しかし、会社名義の財産ではなく、会社経営者の夫自身が持っている自社の株式は、経営者(社長)個人の財産であるため、財産分与の対象になります。
この株式について、財産分与上、考慮しないで離婚されているケースが多々見られます。
同族会社などの非上場株式は、利益が出ている会社の場合、評価額が非常に高額になることもあります。とびら法律事務所がお取り扱いしたケースでも、会社の株式の価値が数千万円から数億円というケースがありました。
このような場合に、株式を財産分与で一切考慮せず離婚するのは経済的な損失が大きいと考えます。
また、会社経営者の場合、退職金の準備金を作るため、定期保険に加入していることもあります。
3.経営者の妻が離婚するときの養育費
養育費とは、子どもが経済的に自立するまでに必要な生活費・教育費です。
経営者の夫の場合、
- 所得を低く申告している
- 給与以外に会社から利益を得ている
といったケースがあり、表面上の年収だけで養育費を決めてしまうと、不利になるおそれがあります。
また、年収が裁判所が参考にしている算定表の上限額を上回っている場合は、養育費の計算方法が特殊なものになります。
インターネット上にはあまり載っておらず、載っていてもその考え方を理解することは難しいと思います。
お子さんが私立学校に進学している、塾に行っているといったご家庭の場合は、通常の養育費に上乗せして請求できるケースもあります。
このように、経営者の妻の方が離婚する場合、養育費で損をしないために、夫の年収の算定方法、養育費の算定方法をあなたのケースに合わせて、考える必要があります。
4.経営者の慰謝料は高額になりますか?
慰謝料は、不貞行為、暴力、強度のモラハラなどがあった場合に、精神的な苦痛に対して支払ってもらうお金です。
「社長だから慰謝料は高額になる」と誤解している方がいますが、
実際には、経営者(社長)であるだけで金額が高くなるわけではありません。
慰謝料が高額になる理由は、相手の行為の違法性の程度やこちらが受けた被害の程度によって変わります。
また、不貞だけでなく暴力があるなど、複数の慰謝料原因があれば高額になることは多いです。
法的にみて慰謝料発生原因になる事情、証拠の有無等がとても重要なため、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
5.あなた(妻)が役員になっている場合
「節税対策として、形式的に役員にされている」というケースは非常に多く見られます。
妻が役員になっている場合、
- 離婚後も責任が残るのか
- 会社の借金を背負わされないか
と不安になる方も多いでしょう。
離婚しても、自動的に役員を辞任できるわけではないので、離婚時に合わせて整理する必要があります。
状況に応じ、
- 役員辞任
- 役員報酬の清算
- 連帯保証の解除
などの手続きをとります。
役員の地位についたまま、離婚すると、後々大きなトラブルにつながりかねません。
6.経営者の妻が離婚するときに弁護士に依頼するメリット
経営者との離婚は、感情だけでなく「お金」と「情報」の戦いです。
弁護士に依頼することで、
- 夫と直接話さずに済む。
- 財産や収入を正確に把握できる。
- 不利な条件を押し付けられない。
- 将来を見据えた離婚条件を整えられる。
といった大きなメリットがあります。
特に、
「夫が話し合いに応じない」
「言いくるめられてしまう」
という方ほど、弁護士の存在が心の支えになると思います。
7.経営者の妻の方が離婚するときは弁護士法人とびら法律事務所へご相談ください
弁護士法人とびら法律事務所は、これまで、経営者(社長)との離婚案件を多数取り扱ってきました。
離婚調停や離婚訴訟の中で、ご夫婦の財産だけでなく、会社の決算書や定款、各種会社の財産資料の開示を求め、財産分与の最大化に成功したケースも複数あります。
離婚後の経済的な不安もあると思いますが、もらえる金額とご自身の収入や行政からの支援等も加味し、あなた自身が幸せを感じられる生活を取り戻すことを考えてもよいと思います。
「こんなこと相談していいのかな」、と思う必要はありません。
あなたがこれまで耐えてきた時間と苦しみには、価値があります。
一人で抱え込まず、まずは一度、私たちにお話を聞かせてください。
最後に(初回相談のご案内)
お一人で不安にならず、まずは一度ご相談にお越しください。あなたの状況に合わせた法的なアドバイスをします。
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