女性が離婚を決めたときにすべきこと
はじめに
「このコラムは、女性が離婚を決めたときに、頭を整理するお手伝いをし、スムーズに動けるようにするために作りました。できるだけわかりやすく、イメージしやすいようにまとめました。読み終えたとき、「一歩進めそう」と思ってもらえたらうれしいです。
1.離婚後の生活費の確認と準備
まずは「お金の見える化」が大事です。
- 直近3か月分の収入・支出の洗い出し
- 2、3年分の夫婦の年収の確認
- 資産(不動産、預貯金、保険、株式・投資信託・NISA等、車、金、各種会員権、ハイブランドジュエリーなど)と負債(各種ローン、キャッシングやリボ払い等)を一覧化。
- 別居前に、生活費の当座資金(できれば3か月分程度)をご準備できていると安心です。
別居後、離婚までは「婚姻費用」をもらえます。
別居中は、収入の高い方が低い方へ婚姻費用(配偶者と子の生活費)を分担するのが原則です。金額は裁判所実務で使われる算定表が目安になります。
離婚の話し合い中、生活費の確保はとても大事です。
婚姻費用は、正式に請求したときからしか支払義務が発生しないので、早期に請求する必要があります。
仮に、相手方が生活費を支払わない、低い金額しか払ってくれない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担請求の調停を申し立てられます。
養育費の目安を先に知っておきましょう。
離婚後に支払われる養育費も、婚姻費用と同じ算定表が目安となります(使われる表や計算は婚姻費用とは異なります。)。
ご夫婦の年収と子の年齢・人数で見込み額を把握しておくと、交渉の土台ができます。
私立学校に行っている場合、合意の下習い事や塾に行っている場合など、目安となる金額に加算できる場合もあります。
公的支援の活用
ひとり親の家計を支える代表例が児童扶養手当です。
自治体によって、医療費助成、住宅・就労支援、バス代や水道代の減免措置もあります。
まずは市区町村窓口で「ひとり親が利用できる制度」を確認しましょう。
児童手当の受給者変更
お子さまを連れて別居した場合、児童手当の受給者をご自身に変更可能です。
児童手当は、実際にお子さまを監護している親に受給資格があります。
ただ、自治体に書類の提出が必要です。
年金分割の請求
将来の年金額を増やすため、離婚時には年金の分割をしてもらいましょう。
離婚時から2年以内に請求する必要があります。たとえ、合意できなくても、裁判所で割合を決めてくれる制度があります。
離婚を請求する際に、同時に請求しておきましょう。
2.DVを受けている時の対応(安全確保が最優先)
いますぐできること
110番や近くの人に助けを求める/安全な場所へ避難。
あなたの住所を管轄する警察署の生活安全課や配偶者暴力相談支援センターへの相談
相談窓口:全国共通のDV相談ナビ #8008(各地の配偶者暴力相談支援センターへ自動接続)
24時間受付のDV相談+(プラス)0120-279-889やチャット相談
警察署の生活安全課
保護命令の活用
裁判所が出す保護命令により、加害者の接近禁止や退去等を命じてもらえます。2024年改正で対象行為が拡大し、有効期間も接近禁止が6か月→1年に伸びました。違反への罰則も強化されています。
子への電話等禁止命令も新設され、被害者・子の保護が拡充されました。
住所を守る「支援措置」
DV被害者の方は、市区町村に住民基本台帳の支援措置を申し出ると、加害者による住民票等の取得が制限され、住所秘匿の助けになります。お住まいの自治体でご相談ください。
証拠は命綱
DVの証拠はとても重要です。
暴力の写真・診断書、脅迫メッセージ、録音、被害メモ、知人への相談LINEなど、どんなに些細なものでも保管しておきましょう。
もし束縛や監視がひどい場合には、信頼できる親族や友人に預ける、LINEなどで送っておく(送信先で保存してもらう)などの対応も必要です。
3.離婚までの流れ
① 離婚を切り出す
まずは、離婚を切り出さないことには、相手の考えもわかりません。
今後の生活、お子さまとの関わり方・どこまで支援してくれるか、財産の分け方など、具体的な話をしましょう。
切り出す前に、あなた自身の希望を整理しておきましょう。事前に弁護士に相談することで、離婚条件を整理することができます。
感情的になりやすいときは、第三者(弁護士)を窓口にしましょう。DV・モラハラがある場合、直接ご自身で対面で切り出すことに危険を伴う場合があります。
そのような場合は、下記に記載するとおり、弁護士に依頼して代わりに離婚の話し合いをしてもらうことをおすすめします。
② 弁護士に依頼する
まずは初回相談から
あなたの状況の法的な整理、争点、今後の見通しなど、まずは初回相談でアドバイスしてもらいましょう。
弁護士との相性、事務所の立地や雰囲気なども、直接相談することでよくわかります。
弁護士費用の確認
着手金、報酬、日当などかかる費用の説明を受けましょう。
料金表やリーフレットなどももらうとよいと思います。弁護士に依頼すると、費用はかかります。
しかし、離婚は一生の中でとても大きな出来事です。法的にみて妥当な条件をご自身だけで獲得するのはとても大変です。
依頼するメリットもありますので、お一人でやるのか、弁護士に依頼するのか、まずは相談に行かれてみて、考えてみるのがよいと思います。
弁護士に依頼するメリット
あなたの代わりに弁護士が相手方と交渉するので、精神的なストレスが軽減されます。
どんな主張をしていくか、そのためにどんな証拠が必要か、いまある証拠の整理などについても法的な見地からアドバイスをもらえます。
仮に、話し合いがまとまらないときの、調停、訴訟(裁判)の見通しについて、あなたの状況に合わせたアドバイスがもらえます。
インターネット上にある情報は、一般論です。AIで出てくる情報もあなたの状況に合わせたものではありません。具体的なアドバイスをもらうには、直接弁護士に相談するのが一番です。
③ 離婚交渉の開始(交渉で合意できそうな場合)
これまでの相手方の態度、交渉の経緯、離婚原因の有無、条件の妥当性等により、裁判所を利用せず、交渉で合意ができそうな場合は、協議離婚で公正証書を作成して離婚する方法があります。
決めることは多数あるので、漏れのないように決めましょう。
最低限、以下の内容は決める必要があります。
- 親権、監護、養育費、面会交流
- 財産分与、慰謝料(不貞・暴力などがある場合)
- 年金分割
ご夫婦の状況に応じ、自宅の居住、養育費の加算、荷物の引き取りなど、今後トラブルになりそうな点を決めておいた方が安心です。
養育費も月額だけでなく、いつまでもらうのか、大学進学や重病になったときはどうするのかなども想定しておきましょう。
面会交流は、後々非常にトラブルになりやすいです。
交流の頻度、所要時間、引き渡しの態様、立会者の有無、体調不良時の代替手段、お子さまが成長したときのことなどシミュレーションして定めておいた方がよいです。
養育費の支払いや財産分与・慰謝料が分割払いになる場合は、必ず、合意した内容を公正証書にしておくことをおすすめします。
その際、強制執行認諾文言を入れてください。強制執行認諾文言とは、将来未払いが起きたときに裁判所の確定手続を経ずに強制執行することを相手方が認めるという内容の文言になります。
④ 調停や裁判への移行
協議離婚が無理そうであれば、家庭裁判所に調停を申し立てます。協議離婚にこだわる方もいますが、状況によっては、調停での話し合いの方がスムーズなこともあります。
調停でも話がまとまらない場合は、調停は不成立となり、離婚するためには、訴訟(裁判
をする必要があります。
調停や訴訟(裁判)になってくると、一層弁護士へご依頼いただいた方が安心かと思います。
4.離婚成立後によくいただくご相談
① お子さまの氏(名字)
母の戸籍に移り母の氏を名乗りたい場合、お子さまについては家庭裁判所で「子の氏の変更許可」を得たうえで、市区町村に入籍の届出をします。
お母さんが配偶者の戸籍から抜けても、その後にお子さまの戸籍、名字について手続きを別途とらなければ、お子さまが配偶者の戸籍に入ったままになるので注意が必要です。
② 養育費が支払われない
調停、審判、訴訟(裁判)で養育費が決まった場合は、家庭裁判所に申し出れば、履行勧告という手続きで、裁判所が相手方に支払いを促してくれます。
それでも支払いがないときは、強制執行(給与・預金の差押え等)を検討します。状況によっては、履行勧告を経ないで、すぐに強制執行を行った方がよい場合もあります。
もし、相手の勤務先や口座が不明でも、裁判所の第三者からの情報取得手続で年金機構・市区町村等から情報を得る方法があります。
協議離婚で、公正証書を作成した場合(強制執行認諾文言があるときに限る)も、強制執行できます。
5.弁護士法人とびら法律事務所がサポートできること
初回相談
ご来所いただき、現状のヒアリングをします。
あなたの状況に応じた争点に関する法的な説明をします。
今後の見通しを踏まえ、具体的な提案をいたします。
初回相談は、ご来所いただき、45分間の相談となります
離婚協議(交渉)
あなたの代わりに、相手方と交渉します。
受任通知を送り、離婚条件について、電話または書面でやりとりしていきます。
各種条件を整理し、合意を目指します。
養育費の支払いや財産分与や慰謝料の分割払いがある場合は、公正証書の作成までサポートします(公正証書の作成自体は公証役場で行います。)。
ご依頼を受けている間、ご不安な点や疑問をご相談、ご質問いただけます。
離婚調停
詳しい事情を聴取し、弁護士が調停の申立てを行います。裁判所との事務連絡もあなたに代わって行います。
調停の日に、あなたと一緒に弁護士が調停に行き、待合室で説明やアドバイスを受けることができます。調停室にも弁護士が一緒に入り、あなたが言いにくいこと、うまく話せないこと、妥当な条件等について、弁護士が代わりに話します。
ご依頼を受けている間、ご不安な点や疑問をご相談、ご質問いただけます。
必要な資料等も弁護士が判断し、ご準備いただきたいものをお伝えします。
最終的に調停で合意ができそうな段階になると、弁護士が調停条項案を作成します(相手方の弁護士により作成されることもあります。)。
裁判所と協議して、調停条項を詰め、離婚の条件を調停でまとめて成立となります。
離婚訴訟(裁判)
詳しい事情を聴取し、弁護士が訴訟の提起を行います。
訴訟になると、裁判所に提出する書面や証拠の内容面、形式面に沢山のルールがあります。弁護士に依頼をせずに訴訟を行うのはとても難しいと思います。
裁判所との事務連絡もあなたに代わって行います。
訴訟(裁判)は概ね1、2か月に1回のペースで、長期間行われますが、基本的には、弁護士のみで出席します。
終盤になり、和解の話、尋問(判決の前に法廷で質問を受ける手続き)になると、弁護士だけでなく、ご本人の出頭も必要になります。
訴訟では、書面や証拠をあなたと配偶者とで提出し合います。弁護士があなたの主張をベースに、必要な事情を聴取し、証拠の有無を確認しながら、書面や証拠を整理します。
相手方から出されたものについて、どの程度反論すべきかもアドバイスします。
ご依頼を受けている間、ご不安な点や疑問をご相談、ご質問いただけます。
最終的に訴訟内で和解ができそうな段階になると、弁護士が和解条項案を作成します(相手方の弁護士または裁判所により作成されることもあります。)。
和解できず判決になる場合は、尋問の練習を行います。
判決が出た場合、判決の妥当性、控訴した場合の見通し等についてアドバイスします。
最後に(初回相談のご案内)
お一人で不安にならず、まずは一度ご相談にお越しください。あなたの状況に合わせた法的なアドバイスをします。
>>電話でのお問い合わせはこちら:千葉:043-306-3355 船橋:047-407-3180



