離婚を求められた妻が、代償金なしで自宅所有権を取得し、妻の希望する時期まで離婚を待ってもらうことができた事例

ご依頼前の状況
夫は数年前仕事をやめ、妻子を残し家を出ていった。その間、妻が共有名義の自宅のローンの支払いを完済。子どもの学費や生活費も負担してきた。夫は離婚を希望し、妻は拒否していた。すると、夫は離婚調停を申し立てた。妻としては、裁判は避けたかったため、離婚条件と離婚の時期が希望通りになれば、調停で離婚することもやむを得ないとの考えのもと、とびら法律事務所に依頼した。妻は、共有名義の自宅を妻の単独所有とすること、夫に対し自宅の代償金の支払いやその他の財産分与もしないこと(夫は資産がほぼなかった)、年金分割は行わないこと(妻の厚生年金加入期間の方が長かった)、離婚の時期は仕事の関係から年度替わりのときとすることを希望していた。
ご依頼後の状況
弁護士は、調停の場において、夫が出て行ったあと、妻が住宅ローンや学費を支払い、家庭を支えてきた事実を強調した。そのうえで、妻の希望する離婚条件を提示したところ、夫側はこれを了承した。もっとも、その段階で、妻の希望する離婚時期まで半年以上あった。妻側は年度替わりでの協議離婚をするという内容での合意内容を希望した。しかし、夫側は、確実に調停離婚がしたいということであった。妻側としても、調停が不成立になり裁判となるのは避けたかったため、担当弁護士のアイデアで裁判所に掛け合い、半年以上先に次回の調停期日を入れることを了承してもらった(通常は1~2か月に1回期日が入る)。その結果、半年以上先の調停期日にて無事に妻の希望する条件での調停が成立した。
担当弁護士の解決のキーポイント
裁判所の考え方通りの通常の財産分与となると、妻が夫に金銭を支払う結果になる可能性は高かったが、妻のこれまでの苦労を強調したのと、離婚を強く希望する夫に対し、離婚を焦らす姿勢を見せられたのがキーポイントであった。