保護命令の5つの種類
保護命令には次の5つの種類があります。
(1)被害者への接近禁止命令
6か月間、被害者の住居や勤務先等において、付きまといや徘徊することを禁止するものです。6か月経過後は、再度の接近禁止命令の申立てをすることもできます。
(2)退去命令
2か月間、同居をしていた被害者の住居から退去することと、その住居の周辺を徘徊することを禁止するものです。
2か月経過後は、再度の申立てをすることもできますが、他の命令よりも要件が厳しくなっています。被害者は、最初の2か月間に、同居していた家から退去して、新しい住居を構えるといいでしょう。
(3)電話等禁止命令
6か月間、次の8種類の行動を禁止するものです。
①面会の要求
②被害者の行動を監視していると思わせるようなことを告げたり、知れるような状態にすること(例えば、今日〇〇に行ってたね、今日〇〇の服を着てたね、といったこと告げるようなイメージです)
③著しく乱暴または粗野な言動をすること
④無言電話をしたり、連続して電話、メール、FAXを送ったりすること
⑤夜間(午後10時から午前6時)に、電話、メール、FAXを送ること
⑥汚物、動物の死体など、著しく不快感や嫌悪感を抱くものを送り付けたり、知れる状態におくこと
⑦名誉を害することを告げたり、知れる状態におくこと
⑧性的羞恥心を害することを告げたり、性的羞恥心を害する文書や写真等を送り付けたり、知れる状態におくこと
これも、6か月経過後は、再度の申立てをすることができます。
(4)子への接近禁止命令
6か月間、子どもへの接近を禁止するものです。具体的には、子どもの住居、学校等においてつきまとったり、徘徊することを禁止します。
子どもが15歳以上の場合は、子どもの同意も必要になります。
また、被害者本人への接近禁止命令が出ていることが前提となります。子ども単独での接近禁止命令はできません。
6か月経過後は、再度の申立てをすることができます。
(5)親族等への接近禁止命令
6か月間、親族等への接近を禁止するものです。親族の住居、勤務先へのつきまとい、徘徊を禁止します。
禁止の対象となる親族の同意が必要になります。
被害者本人への接近禁止命令が出ていることが前提となりますので、親族のみでの接近禁止命令はできません。
配偶者が、親族のところに押しかけて、やむなく被害者が対応するという状況を防ぐことが目的です。
これも、6か月経過後は、再度の申立てをすることができます。
以上の通り、保護命令には、幾通りもの組み合わせが考えられます。
その人の状況に応じて、申し立てるべき命令の内容が異なりますので、よくご検討ください。
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