婚姻費用3・養育費~義務者の年収が算定表の上限を超える場合~
弁護士の村上です。
婚姻費用や養育費がいくらになるかは、算定表を見れば大体の金額がわかることは以前もご説明したとおりです。
しかし、この算定表、サラリーマン等の給与所得者については上限が年収2000万円、自営業者については上限が所得(売上ではなく所得です)1409万円までしか載っていません。
ですので、これを超える年収の方の場合、算定表を見ただけでは金額がわかりません。
算定表の上限額を超える場合の婚姻費用・養育費の考え方は、いくつかあります。
担当する裁判官によって考え方が分かれており、婚姻費用と養育費でも若干変わってきます。
①年収額に関わらず、算定表の上限額を婚姻費用・養育費の額とする
まず、一番わかりやすいのは、
①年収額に関わらず、算定表の上限額を婚姻費用・養育費の額とする という考え方です。
養育費ではこの考え方を基本とし、教育費などで不足分があると加算するという方法がとられることが多いと思います。
要は、年収が2500万円でも、5000万円でも、婚姻費用・養育費は算定表の上限で頭打ちになるということです。
この考え方は、生活費や教育費にかかるお金には上限があり、年収が高いからといって生活費や教育費かかるお金が増えるわけではないという考えによるものです。
婚姻費用でも、この考え方をとった審判例もありますが、婚姻費用については以下の②~④の考え方の方が多い印象です。
②年収に応じて「基礎収入」の割合を修正する
婚姻費用において、よく採られる考え方です。
「基礎収入」とは、「養育費を捻出する基礎となる収入」のことです。
算定表では、以下のような計算式に基づいて基礎収入を出した上で、婚姻費用・養育費の月額相場を出しています。
【給与所得者の場合】基礎収入=総収入 × 0.34~0.42(高額所得者の方の割合が小さい)
【自営業者の場合】基礎収入=総収入 × 0.47~0.52(高額所得者の方の割合が小さい)
この基礎収入の割合を、上限に該当する数値(給与所得者は 34%、自営業者は 47%)から若干低く修正するという方法です。
結論として、この考え方を採った場合、婚姻費用の額は、算定表の上限より高くなることがほとんどです。
③年収に応じて「基礎収入」の算定において「貯蓄率」を控除する
婚姻費用において、この考え方が採られることもあります。
これは、基礎収入を算定するときに、通常は控除しない「貯蓄率」を控除する手法です。
高額所得者は、可処分所得のすべてを生活費に充てるのではなく、一定の割合を貯蓄に回すという考えに基づいています。
この考え方を採った場合でも、婚姻費用の額は算定表の上限より高くなることがほとんどです。
④夫婦の実際の生活状況等から裁量で算定する方法
これは、夫婦の同居中の生活レベル、現在の双方の生活状況等から妥当な婚姻費用を算定する方法です。
特に婚姻費用において、従前いくら生活費を渡していたかが重視される傾向にあると思います。
以上のように、算定表の上限を超える所得のある方の場合、婚姻費用や養育費の算定が算定表を見るだけではわかりません。
また、算定表の上限を少し超える場合と大幅に超える場合でも変わってきます。
当事務所は、算定表の上限を超える所得のある方のケースを多数お取扱いしております。
婚姻費用や養育費で争いになっている方は是非ご相談ください。
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