父親が、発達障害のある子どもの親権を取得し、早期離婚ができた事例
ご依頼前の状況
妻が、夫との離婚を希望し、娘を残し、同居していたマンションから1人出て行った。残された中学生の娘には発達障害があり、夫は1人で子育てを続けた。別居から3か月後、妻から、娘の親権を取得して離婚したいという内容の連絡が来て、とびら法律事務所に相談に来られた。
ご依頼後の状況
父親である依頼者(夫)は、妻が別居した後、発達障害のある娘のために、中学校の担任の先生、部活動の顧問の先生などと密に連絡を取った。娘は、発達障害の影響で不登校気味になっていたので、来たる高校受験を突破するために、生活リズムを立て直すことが急務であった。
そのような父親(夫)の奔走の中、妻は、自ら娘を残して自宅から出て行ったにも関わらず、娘の親権取得を希望する内容で、離婚調停を申し立ててきた。さらに、財産分与と慰謝料も相場よりも多く求めてきた。
夫自身、仕事と1人での子育ての両立で、過労がたたり、心療内科にかかるようになっていた。妻からの離婚調停申立てが、夫の精神面をさらに不安定にさせていた。
担当弁護士は、娘の発達障害の状況、別居後の夫の尽力の状況、実際に長女の不登校が解消しつつあり、高校受験のためには生活環境を変えるべきではないことなどを、調停において主張する方針を立てた。調停のおいては、担当弁護士が調停委員に対して主に話をし、ポイントとなる部分をわかりやすく伝えた。
また、夫が親権者になった後は、娘が望むのであれば、母親である妻と娘の面会交流は広く行って良いという提案を行った。父親である依頼者(夫)が親権を取得するには、広範な面会交流の実施が重要な条件となることが多いので、その旨夫に説明して、予め方針を固めておいた。
その結果、2回の調停期日後、妻側は親権を夫にすることに同意した。
担当弁護士は、さらに2回の調停期日を通して金銭面について妥当な解決策の提案を行った。
財産分与は双方の財産状況から適正な金額まで減額することが出来た。慰謝料は、慰謝料の原因が無いと主張して、請求を全額排除することができた。
概ね6か月程度の調停期間で、親権取得、妥当な財産分与、慰謝料0という内容で調停離婚が成立した。
担当弁護士の解決のキーポイント
依頼者である夫の希望は複数あったが、優先順位をはっきりさせることからスタートした。一番優先なのは親権であること、金銭面は可能であれば減額したいこと、といった方針を立てて、対応を進めた。優先順位をはっきりさせることで、親権の合意ができた段階で、夫も妻も、金銭面については早期に合意に至りたいという方向性を共有でき、早期の離婚成立に至った。