夫の定年退職前に2500万円の財産分与を得て熟年離婚した事例
ご依頼前の状況
妻は、25年以上の婚姻期間があった夫と、子ども達が社会人になったら離婚しようと決めていた。しかし、夫は大企業勤務で、自分より収入が低い妻を下に見ていた。そのため、妻が離婚や財産分与などの要求をしても、まともな話し合いにならないのではないかと心配していた。
>>財産分与とはこちら
そこで、別居をする前にとびら法律事務所に相談に来た。どのように夫に離婚を切り出すか、切り出した後はどのように夫と話し合いを行っていくかの打ち合わせを行った。自分自身で夫と交渉をしないで良いと安心した妻は、とびら法律事務所に離婚協議を依頼した。
ご依頼後の状況
弁護士が妻の代理人として、夫に離婚と財産分与を申し入れたところ、夫は最初、離婚自体を拒否してきた。別居前に妻から、離婚したい旨は伝えてあったが、夫としては納得がいっていない様子であった。そこで、弁護士から、妻はもう戻らないこと、子ども達も社会人になって夫婦関係を維持しておく必要性が低いこと、お互いにそれぞれの第2の人生を歩んだ方がメリットが大きいことなどを説明した。その結果、数回の話し合いを経て、夫も離婚に同意するに至った。
次に、財産分与のために双方の財産資料を出し合うことになった。夫は大企業に30年以上勤めており、マンションを含めて多額の資産があった。弁護士は、夫に財産分与の基準時を提示し、その基準時時点の評価額がわかる資料を出すように求めた。夫からは比較的スムーズに資料の開示があったが、マンションの評価額、相続で得た財産の扱い、退職金の扱いの点で、双方の意見が一致しなかった。
弁護士は、妻と打合せを行い、調停や訴訟になった場合の見通しを伝え、争う実益がない部分は譲歩することにした。一方で、マンションは売却した方が実際の評価額が明確になり、売却代金が財産分与支払いの原資にもなるので、妻側から売却を提案し、夫側も了承した。
最終的に、財産分与総額は2500万円で合意したが、一括払いではなく分割払いになったため、支払いが確実に行われるように公正証書を作成し、協議離婚することができた。
交渉期間は10か月ほどになったが、当初から弁護士から夫に婚姻費用として15万円を要求していたので、交渉が長くなっても大きな支障はなかった。
担当弁護士の解決のキーポイント
当初夫が離婚を拒否したが、比較的早期に夫から離婚の同意を得られたことは、問題がこじれることなく解決できた大きなキーポイントだった。弁護士の説得的な説明が功を奏した。
財産分与においても、技巧的な方法を取るのではなく、夫の性格から考えて、合理的な提案を行い、譲歩できるところは譲歩し、譲れない部分は折れないという姿勢で話し合えたことが多額の財産分与を得られたキーポイントだった。